30年ほど前の旅先で、飾りエンブレムのエキゾチックなデザイン、色彩に出会いました。

現地のガイドに詳しく尋ねると、インドの北部アグラの村で、世界中の軍隊の肩紋章、帽子、パイロットや、スポーツクラブなどのジャケットの紋章などが生産され輸出されているとの返答でした。

繊細な刺繍の精巧な匠の技に魅了され、日本の手仕事作家や手芸屋さんにも知らせたい気持ちにかられ、製品のサンプルと全てのアイテムを仕入れようと輸入交渉に入りました。

当時現地ではプラスチック製、機械製のものは、天然、手製に比べて高価で使えないとの事でしたので、使われている石は、全て天然石、ガラス、ビーズです。

金糸、銀糸も鉱物から職人が手で撚って（よって）いると思われます。

最近になって忘れかけられていたエンブレムたちを開けました。
全く、変色もダメージもなく残っていてくれたことが嬉しく、コンピューターでさっと物が作られる現代に、とても貴重だと思います。

作家さんや手芸好きな方々の工夫でエンブレムたちが新しく蘇ってくれたら嬉しいです。